岩手の景勝地をe-bikeで走ろう!in田野畑村

岩手県田野畑村。北山崎と呼ばれる断崖の景勝地が有名な地域で、e-bike体験会を行うという情報をいただいた筆者。紅葉も深まりつつある10月の下旬。e-bikeの性能をフルに体感出来る急勾配な道も含めた、およそ25km~26kmの道のりをe-bikeで走ってきました。今回はその様子を簡単にご紹介します!

目次

スタート地点は机浜番屋群

体験のスタート地点は机浜番屋群。塩づくり体験等、田野畑村の各種体験観光の拠点となっている場所で、近くの漁港からは「北山崎サッパ船アドベンチャーズ」と呼ばれる漁師の小型漁船に乗る体験もおこなれています。

使用するe-bikeはカゴ&携帯ホルダー付きで、ちょっとした荷物をかごに入れることが出来たり、写真をスマートフォンで撮りたい時にも便利な仕様。パワー設定も3段階あり、ギア変速も多く行えることから、きつい坂道でも十分に対応してくれます。

スタート前にe-bikeの使い方のレクチャーを受け、準備万端でいざスタート!

スタートから景観の良い場所が続く

断崖から見下ろす海の景色は、ただただ圧倒される

机浜番屋をスタートした後は、県道44号岩泉平井賀普代線を南下し、三陸鉄道田野畑駅を目指します。田野畑駅までは海沿いの道が続き、左手側の眼下には眺望の良いスポットがたくさん!青空と青い海、紅葉が気分を盛り上げてくれます。

紅く染まるイワガラミ

時には立ち止まってあの日に思いを馳せる

田野畑駅を目指す途中、東日本大震災の震災遺構である「明戸海岸防潮堤」に立ち寄りながら、あの日に何があったのかをガイドの方からお話を伺います。

震災遺構として残されている当時の防潮堤

震災遺構の周辺は綺麗に緑地として整備され、あの日の様子を伝える震災遺構がなければ、そのような出来事が起こった場所だとはとても思えませんでした。

震災遺構の周りは綺麗に緑地化されている

いよいよ急傾斜の坂道を登る

明戸海岸を過ぎ、三陸鉄道「田野畑」に到着。駅の入口には「カンパネルラ田野畑」と書かれた看板がありました。後から調べてみると「カンパネルラ」は愛称で、童話作家宮沢賢治の銀河鉄道の夜からつけられたそう。建物の外装も可愛らしい感じで和みます。

かなりの急傾斜だがe-bikeであればスイスイと登る

田野畑駅で休憩を挟んだあとは、いよいよこの体験会で最大の急傾斜の道を上り、お昼休憩の場所になる道の駅たのはたまで移動していきます。

電動アシストのない自転車で登ったら確実に自転車から降りて歩いてしまいたくなる道も、e-bikeのアシストを全開にし、ギアを軽めにすることでそれ程苦労せずに制覇!改めてe-bikeのありがたさを感じます。

坂を登りきった後は周辺を少し見て回りながら、道の駅たのはたに到着して午前の部が終了しました。

お昼にはミルクラーメンを食べてみた

ワカメたっぷりミルク麺。リピートしたくなる美味しさ

お昼時間は道の駅たのはたにある食堂でご飯をいただくことに。筆者はオススメと書かれていたワカメたっぷりミルク麺をいただきました。

ミルク?って牛乳?ラーメンに合うの?と?マークが何度も出てきましたが、オススメと書かれているんだから美味しくないわけだろうと思い、意を決して注文。

食べてみた感想ですが、普通にうまい。味噌味にミルクのマイルドさがベストマッチして何ともいえない旨味を感じました。

下り坂で風を感じる

e-bike体験後半は、道の駅たのはたから三陸鉄道の島越駅を目指すルートを走ります。島越駅は海沿いの場所にあるため初めから下り坂が続き、急斜面を登ってきた分結構なスピードが出ます。風を切る音が耳元で聞こえ、全身でも感じることが出来ました。

下り坂の途中には辞職坂と書かれた看板が出現。矢印の先には川がありました。川幅、川の深さともに結構ある感じで、その先にはうっすらと上へと続く道が続いています。

昔、田野畑村へと伸びる道路や橋が整備される前は、深い谷や山を何度も上り下りしながら田野畑村に行かなければならなかったらしく、田野畑村に赴任する役人や教師たちなどが「思案坂」というところで、その先にいくかどうかを思案し、さらにその先にある、より険しい「辞職坂」で職を投げ出して帰ってしまったというお話があるそうで、「辞職坂」の名前の由来はそこから来ているそうです。

写真右上側へ上へと伸びる道が続いている。川は場所によってかなり深い

当時、赴任のために色々な荷物を持ちながら歩いて沢を渡ったり、急な坂を何度も上り下りしなければいけないのかと考えたら、確かに辞職という言葉が頭に思い浮かぶのもあり得るかもしれないと筆者も思ってしまいました。

ちなみに今でもうっすらと辞職坂の道の跡は残っているように見えましたが、現地に詳しい方の案内がない場合は、道の状況も不明なため利用はしないほうが良いと思います。

田野畑村にある鉄道駅の外観、好きすぎる

三陸鉄道島越駅

辞職坂を見た後は、再度下り道を堪能し、三陸鉄道島越駅に到着します。上写真の島越駅は、東日本大震災後に建てられたもので、赤レンガ調のモダンな外見がかなり自分好み。

かつて島越駅があった場所から撮影。ここには旧島越駅で唯一残った階段の一部や宮沢賢治の詩作品の碑などが保存されている

立ち寄り地、最後となるハイペ海岸へ

車で移動していると見逃してしまいやすいハイペ海岸。e-bikeで訪れるからこそ見つけやすいスポットかも

注意していないと見逃してしまいそうな場所にあるハイペ海岸。e-bikeを砂利スペースへ止め、急傾斜なコンクリートの坂を降りていくと無人の浜が広がります。ハイペという不思議な言葉の響きですが、どうやらアイヌ語らしく、アイヌ語でイラクサの生える所、という意味らしいです。

写真右下に見える巨岩は東日本大震災時の津波によって海岸に打ち上げられた

海岸には自然が生み出した面白い形になった岩がごろごろとありました。自身だけで訪れると何故そうなったのかがわからなかったかもしれませんが、今回はその理由もガイドさんにバッチリと教えてもらいました!

ハイペ海岸を過ぎたら後はゴール地点である机浜番屋まで移動してゴール!

お昼休憩をはさみながら、全体で約4時間ほどの行程となりました。

田野畑村でのe-bike体験の感想

筆者が個人的に今回走っていて良いなと思ったのは、あまり車と遭遇しなかったこと。

車を気にせずに走れるので、周りの景色も楽しみながら快適にe-bikeを楽しむことが出来ました。

またe-bikeを使うことで急坂をスイスイと登れ、上った高所から海を眺めたり、山や谷を見下ろせたりといった田野畑村の美観を楽しむことが出来るのも良ポイント。

更には、急坂を登る分、急な下り坂も楽しむことが出来、風を切って進む感覚は結構クセになっちゃうかも。

今回のe-bike体験は田野畑村のNPO法人体験村・たのはたネットワークさんが開催し、現段階ではまだイベント限定での体験とのことですが、今後様々な展開を検討中のことなので、今後が楽しみです。

なお、NPO法人体験村・たのはたネットワークさんでは、e-bike体験以外にも冒頭でちらりと書いていた漁師の小型漁船に乗る体験なども取り扱っているので、興味ある方はそちらも覗いてみてください♪

詳細情報

NPO法人体験村・たのはたネットワーク
HP:https://tanohata-taiken.jp/
住所:岩手県下閉伊郡田野畑村北山129-10北山崎ビジターセンター内
TEL:0194-37-1211(9:00~17:00)
※記事情報については取材当時のものとなります。現在の情報と異なる場合がありますので、予めご了承願います。

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この記事を書いた人

マーシー マーシー TOLM編集部

”東北のアウトドアの魅力を発信したい!”とノリと勢いだけでTOLM(東北アウトドアライフスタイルマガジン)を立ち上げた張本人。
広大な東北の地でアウトドアな生活を行っている人達に出会いに行くべく、日々車を走らせている。

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