もっとディープな岩手の旅へ! 冬の大槌・住田でほっとな体験 モニターツアーレポート

1月下旬のとある日。筆者に一本の電話が届いた。

「岩手県の大槌町と住田町で1泊2日の観光モニターツアーがあるんだけど、参加してみない?」

そんなお誘いをいただき、モニターツアーの内容が記載されたチラシをじっくりと見てみると、サウナから洞窟探検まで様々なアクティビティが楽しめる内容が並んでいた。

「最近、あまりアウトドアなこと出来てないなぁ。」と感じていた自分。怠けた体をたまには動かしてみようと思い、参加を決意。

ツアーの様子を記事としてレポートしても良いと了承をいただいたので、内容をお伝えしようと思う。

目次

ほっとなアウトドアコンテンツが目白押しのモニターツアー

今回のモニターツアーの舞台となるのは、岩手県の沿岸部に位置する大槌町と住田町。

大槌町では、海岸近くに設置されたテントサウナを楽しめる「潮風テントサウナ」と、狩猟やジビエの魅力を体験する「大槌ジビエツーリズム」

住田町では、観光鍾乳洞ではありつつも冒険要素が満載な滝観洞での「プチケイビング体験」と、森林割合が90%の森の恵みをいただく「メイプルサップ採取」といった内容が体験できた。

1日目 大槌町でのアウトドア体験

今回のモニターツアーを企画した大槌町観光交流協会の服部さん(写真左)とおおつちのあそびの大場さん(写真右)

1日目は大槌町でアウトドア体験。

「ジビエツーリズム」の体験を提供してくれるのは、東北アウトドアライフスタイルマガジンでも一度ご紹介させていただいたNPO法人おおつちのあそび代表の大場さん。

鹿の夏毛と冬毛の違いを説明する大場さん

自身も猟師である大場さんの体験を交えた大槌町のジビエツーリズムのお話は目から鱗。ただ話をするだけではなく、実際に鹿の夏毛や冬毛の違いを触らせて違いを教えてくれたり、猟をする際の道具についても仕組みを教えてくれたりと、普段聞けない話が満載。

わな猟で使用する道具の仕組みを解説する様子

昼食は、鹿肉がふんだんに使われたランチセット。鹿肉を入れた炊き込みご飯、鹿肉のひき肉入り中華スープ、鹿肉の唐揚げ、鹿肉をジンギスカンのタレに漬け込んだ焼肉等々、中々食べることが出来ないラインナップだ。

これまで、鹿肉を何回か食べる機会があり、臭みが気になることもあったが、今回にはついては全く気になることがなく、美味しくいただけた。

鹿皮を使ったキーホルダーづくりの体験セット

午後の体験では鹿皮を使ったキーホルダー作りに挑戦。

キーホルダー用に裁断された鹿皮をキーホルダーにくくりつけるという作業を見本を見ながら行うのだが、大苦戦。

他の参加者は結構簡単に作ってしまったが、自分だけギブアップ。大場さんに正解を教えてもらい、何とか形にすることが出来た。

出来上がった鹿皮のキーホルダー

出来上がった鹿皮のキーホルダーは、程よい厚みと手触りが良く、愛着が湧きそうだ。

ジビエツーリズムを体験した後、1日目のお宿である三陸花ホテルはまぎくにチェックイン。

今回宿泊したお部屋からの風景

チェックイン後は、次の体験である潮風テントサウナの会場へと移動。

「潮風テントサウナ」は、三陸花ホテルはまぎくの敷地で体験が出来るので、移動は楽ちん。

事前に案内されていたテントサウナ用の荷物だけを持ち、集合場所であるホテルロビーへ移動。

潮風テントサウナ体験をアテンドしてくれるNPO法人吉里吉里国の松永さん(写真左)と大邉さん(写真右)

ここで今回の体験を提供していただく、NPO法人吉里吉里国の松永さんと大邉さんと合流。

潮風テントサウナを体験する前に体調は問題ないか、飲酒はしていないかなどの確認事項、注意事項の説明を受け、準備万端。

ホテルの敷地に用意されたテントサウナスペース

ホテルの敷地を使ったテントサウナは、海の目の前で行われる。夏の時期にはサウナで暖まった体を、すぐ目の前に広がる三陸の海で冷やすことも出来るそう。

なお、今回は真冬の時期のため、無理をせず、外気浴で体をトトノエルこととなったが、海を眺めながらゆったりとするのも格別の体験だ。

真正面に広がる三陸の海の風景

潮風テントサウナの体験セットには、ロウリュ用の水とアロマ、それに水分補給用のミネラルウォーターと炭酸水が用意。

サウナで喉が渇いたら水や炭酸水で水分補給
ロウリュ用のアロマセット

冬のテントサウナということもあり、テント内の温度が始めは上がりづらかったが、薪の入れ方を丁寧に教えていただいたおかげで十分な熱さに。

数人が入ってもテントサウナ室内は十分なスペースがある

この日のサウナは60度くらいで、フィンランドサウナのようにじっくり体の芯から温まる感じ。筆者的には高温のサウナだとすぐにギブアップしてしまうので、じんわりと暖まれて良かった。

セルフロウリュをしたり、薪をくべたりと、時間を気にせずぼぉっとする時間。そんな時間がたまらなく贅沢だったりするのではないだろうか。

サウナ体験が終わった後は夕食タイム。夕食は岩手沿岸の冬の味覚、毛蟹やアワビが用意されていた。毛蟹は丸ごと一杯食べられるようになっていて、思う存分、海の幸を堪能することが出来て大満足!

2日目 住田町でのアウトドア体験

日が変わり、今度は住田町へと移動。2日目の体験「プチケイビング体験」と「メイプルサップ採取体験」が始まる。

滝観洞では、LEVEL-1からLEVEL-3までのコースが体験できる。今回のプチケイビング体験はLEVEL-2の体験

住田町での体験をアテンドしてくれる千葉さんの案内のもと、まずは滝観洞で「プチケイビング体験」がスタート。

滝観洞自体については、以前こちらの記事でご紹介したことがあるが、今回は、ただ洞窟に入るだけではなく、ガイドが付いて、普段は入れない場所まで入れる冒険コース(LEVEL-2)を体験する。

滝観洞でのガイドを務めてくれる千葉さん

ガイド付きコースで着用するヘルメットとアウター、レッグガード、長靴を装備し準備万端。いざ洞窟へ!(※ヘルメットは一般入洞でも無料貸し出し。それ以外はガイド付きコースのみ貸し出し(無料))

滝観洞の入り口

滝観洞は観光洞窟ではあるが、アドベンチャー気分を凄く感じられる洞窟。道の奥には何があるんだろうと思わせてくれる冒険心が湧き立ってくる場所だ。

洞窟内は適度に明るさがある中を進む
道の途中では千葉さんが滝観洞の特徴を解説

そして、一般に公開されている洞窟の最奥にある、落差29メートルとも言われる天の岩戸の滝へと到着。

天の岩戸の滝を眺める参加者。一般入洞では柵の手前側までしか行くことが出来ない

普段であれば、柵越しにしか滝を見ることが出来ないが、今回体験した冒険コースではガイドと一緒に滝の前に広がる泉の中に入り、より間近に滝を眺めることが出来る。

冒険コースでは柵から先、泉に入り、滝をさらに間近で眺められる。どうどうと落ちる滝の荘厳さを体感
滝が流れ落ちてくる、さらに上にもホールが広がっている

冒険コースでは先に紹介した点以外にも、一般には公開されていないエリアもガイドと一緒に探検することが出来る。

その様子については、ぜひ訪れてご自身の目で確かめて見て欲しい。(※一週間前までに要予約)

滝観洞の天の岩戸の滝に見立ててカレールーを流す様子

体を動かした後は、昼食。住田町はお肉の生産が盛んな町で、昼食も豚肉、鶏肉の美味しさを実感できる料理が並ぶ。個人的には特に、滝観洞の天の岩戸の滝に見立ててカレールーを流して食べたカレーが体験要素もあってお気に入り。

メイプルサップ採取体験をアテンドしてくれる千葉さん(写真左)と藤井さん(写真右)

午後はモニターツアー最後の体験となる「メイプルサップ採取体験」

メイプルサップは、いわゆるカエデの木から採取することが出来るが、体験の場となる住田町でも採取を行なっており、その樹液を使用したクラフトビールを作ったりもしている。

写真中央、住田町で採取されたメイプルサップを使ったクラフトビール(写真中央)

今回は、住田町でメイプルサップを取り続けている藤井さんの案内のもと、メイプルサップを採取する場所まで移動する。

メイプルサップを採り慣れている藤井さんは、普段自身が採取を行なっている方法を実際に見せてくれた。

カエデ一本の木から取れるメイプルサップの量はその年々によって違いがあるそうで、多い時はポリタンクが一杯になるくらい採れる年もあれば、ほんの少ししか採れない年もあるとのこと。

メイプルサップを採取するためにする穴開けは木一本につき、年に一穴だけ。それ以上は木に負担がかかるとして穴を開けない。その穴は次の年には自然と穴が塞がるそうだ。

メイプルサップを採取するための穴を開ける藤井さん

春に近い、冬のひと月ほどしか採取が出来ないメイプルサップは自然味を感じさせるほのかな甘みが特徴。自然と共に生きるからこそいただける恵みの味は、地方にいるからこそ味わえる天然の宝物。

メイプルサップからメイプルシロップの状態にするにはかなりの時間、煮詰めることが必要で、採れたメイプルサップの量が大体30分の1から40分の1程度まで減ってしまう。そんな贅沢品を入れたコーヒーを体験の最後にいただき、1泊2日のモニターツアーは終了。

岩手県の海に近いエリアは海の体験のイメージが強いかもしれないが、今回ご紹介したように山の魅力も楽しめる場所。海と山の魅力をぜひ楽しんでみてください。

今回ご紹介した内容について、ご興味ある方はそれぞれ下記へお問い合わせを。

1日目:大槌町観光交流協会(https://otsuchi-ta.com

2日目:滝観洞観光センター(https://rokando.jp

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この記事を書いた人

マーシー マーシー TOLM編集部

”東北のアウトドアの魅力を発信したい!”とノリと勢いだけでTOLM(東北アウトドアライフスタイルマガジン)を立ち上げた張本人。
広大な東北の地でアウトドアな生活を行っている人達に出会いに行くべく、日々車を走らせている。

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