世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域として国際連合食糧農業機関(FAO)に認定された「大崎耕土」は、宮城県大崎市、加美町、色麻町、美里町、涌谷町の1市4町で構成され、地域を通る「江合川」「鳴瀬川」の流域に広がる野谷地や湿地を利用し、水田農業地帯として発展してきた場所だ。
その河川流域には江戸時代から約1,300箇所に及ぶ「取水堰(しゅすいぜき)」や「隧道・潜穴(ずいどう・せんけつ)」「用排水路」「ため池」「遊水地」が設けられ、現在でも受け継がれているという。そうして営まれてきた地域の水田には多様な生物との共生環境が築かれ、冬には10万羽を超えるマガンが越冬に訪れる。
そんな自然との共生を昔から続ける大崎耕土の稲わらを100パーセント使用して作られたのが、「わらの火袋」だ。
製品を開発したのは、宮城県涌谷町で50年以上、畳製造業を営んできた細川製畳株式会社。
主な使用用途は、その名の通り「わら焼き」。「わら焼き」を手軽に、気軽に楽しめるキットとして開発されているため、使い方は簡単。焚き火台やバーベキューコンロにキットをセットして、底面に火をつけるだけ(キットには表面と裏面があるため、セットする際には注意)。わずか2分でわら焼きを楽しめる。
人の口に入る食べ物を炙ったり、香りづけする稲わらだからこそ、ゴミやチリ、土やダニなどがつかないよう、自身の本業である畳製造業で培った技術や設備を使い、稲を梳き、梳いた稲わらを高温の乾燥機に入れてパリパリに乾燥させる。(下記の動画はわらを梳く作業イメージ)
また、乾燥させた稲わらを、さらに燃えやすくさせるため、細川製畳では葉片や藁のサヤを1層目、ブレンドカットわらを2層目、穂先を3層目に敷き詰め、ただ単純に稲わらを敷き詰めるよりも、食材を一気に焼き上げることを可能にした。
わら焼きというと、カツオのわら焼きが一番先に思い浮かぶが、「わらの火袋」を販売する細川製畳の公式インスタグラムページでは、カツオのわら焼きだけではなく、明太子や豚肉を塩麹に漬けてソテーしたもの、ゆで卵など様々な食材でわら焼きにチャレンジしている様子を投稿しており、いろいろな食材にも使えることがわかる。実際に筆者もカツオ以外の食材でわら焼きを試してみたが、稲わらの香りが食材の味わいをより一層引き立たせてくれ、とても美味しく感じた。
「わらの火袋」は1回分のわら焼き体験用キットだが、わら焼きを大人数で楽しんだり、イベント用、業務用として扱いたい場合には、細川製畳の業務用稲わら配送を利用するのも手だ。配送先や量にもよるが、場合によっては100キロ以上の単位での取り扱いも可能で、即時の発送対応も出来るそう。気になる方は細川製畳へ問い合わせをしてみて欲しい。
その他、細川製畳では「わらの火袋」以外にも、自社の強みを生かした「部屋芝」という製品を販売している。天然芝の反発係数と、畳の反発係数が偶然にも似ているところ着想を得たという。
その見た目と座りごごちは屋内でもアウトドア・キャンプ気分を味わえるようになっている。この「部屋芝」は和室以外のフローリング用もある他、キャンパーの方が車用芝生として購入することもあるそうだ。
普段とは違うキャンプ飯を体験したい方、普段の生活でもアウトドア・キャンプ気分を味わってみたい方は、一度HPを覗いてみてはいかがだろうか。
細川製畳株式会社
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