岩手県屈指の歴史の名所、世界遺産中尊寺金色堂。その付近の山々はあまり標高が高くなく、日帰り登山にオススメ。中でも、経塚山はツツジの名所としても知られており、5月の低山ハイクにぴったり。今回はその経塚山と平泉の街並みを見下ろせるロケーションであり、奥州藤原氏にかかわる行事が行われている駒形山を歩いてきた様子をレポートします。
スタート地点は木工芸館遊鵬
今回のスタート地点は平泉町にある、西行桜の森・木工芸館「遊鵬」。ここから駒形山を経由し、つつじの咲く経塚山を目指して進みます。かつてこの土地は桜の名所としても有名だったそうで、その桜の見事さを平安時代の歌人西行法師が詩にしていたほど。西行桜の森と名付けられているのは、そういった歴史の背景もあるのかもしれません。
木工芸館遊鵬から伸びる道は途中で、大文字キャンプ場に続く道と駒形山の山頂へと続く道に分かれますが、山頂へと続く道は遊歩道になっているので迷うことはないかとは思います。
第一、第二の展望台発見
駒形山の山頂を目指す遊歩道を歩き始めるとやや鬱蒼とした道が続きます。歩く道がわからなくなるほどではありませんが、視界が悪いため周囲の状況には少し気をつけて歩いた方が良いかもしれません。
歩きはじめで10数分ほど。第一の展望スポットがありました。こちらの展望台にはオオムラサキ展望台という名前がつけられています。その名のとおり展望台の周辺は日本の国蝶、オオムラサキが生息しているそうです。
第一の展望台を後にして駒形山の頂上へと再び歩きはじめます。ここから視界が開き始めるので、景色を楽しみながら気持ちよく登山タイム!
第一の展望台からそれ程時間をかけずに山頂へと到着。駒形山の山頂にも展望台が設置されていました。こちらの展望台からは平泉の街並みもばっちし見えます。ただ、かなり老朽化が進んでいるようなので、足元注意です。
この展望台の真下は平泉大文字送り火と呼ばれる、伝統行事が毎年8月に行われているそう。地図でもはっきりとわかる大の字ですね。
駒形山から経塚山への登山
駒形山から経塚山への道は杉林もあり、里山といった印象が強い道です。下草もそれ程なく、歩きやすい道でもあります。
経塚山の頂上はつつじと眺望のコラボレーション
経塚山の頂上にはつつじが群落で綺麗に咲いていました。山頂は数人が立つくらいのスペースでしたが、周りの眺めもよく、気持ち良い場所でした。
山頂から少し歩くと、かつて展望台として使われていたであろう建物がありました。現在は老朽化のため使用は出来ないようです。
下山は月山キャンプ場を経由して
経塚山からは隣山の音羽山、束稲山も近く日帰りで行くことも可能ですが、今回は経塚山から月山キャンプ場へと下り、スタート地点まで戻る道を選択してみました。
こちらのルートには胎内岩と呼ばれる面白い岩もあり下山を楽しめましたが、草の伸び方がかなり激しい場所でもあったため、本当に下山ルートが合っているか少々不安に駆られます。この下山ルートを利用する場合は草の伸びが最盛となる夏の時期は選択しないほうが良いかもしれません。
また、胎内岩を通るルートは国土地理院地図等には記載されていない道のようです。国土地理院地図に記載された登山道を辿って月山キャンプ場へと降りるルートは胎内岩を経由しないため、胎内岩を見たい方は、胎内岩を間違えないよう注意が必要です。
ゴール地点の月山キャンプ場に到着
月山キャンプ場まで到着。こちらのキャンプ場は草の管理も行き届いていて過ごしやすような印象。駒形山から経塚山のルート上ではゆっくりと荷物を広げられる場所も少なかったため、こちらで一息つきました。出発地点からここまでは、早い方であれば2時間ほどで到着出来る工程です。
自身のその時々の体力に合わせて、スタート地点まで道路を歩くもよし、登山道を戻るもよし。好きなスタイルで楽しんでください!
※記事情報については取材当時のものとなります。現在の情報と異なる場合がありますので、予めご了承願います。