渓流釣りが好きな人にとって3月から夏にかけての時期は特別だ。なにせ渓流魚釣りが楽しめるのはその時期しかないから。短い春夏を遊び尽くすため、釣り人はあらゆる手段で情報を集め、全国の様々な渓流へと出かけていく。今回はそんな釣り好きに愛されるロッドを20年以上作り続けているメーカー、Campanella(カムパネラ)の代表、石川寛樹氏(上記写真中央)にフライフィッシングの魅力などを伺った。
創業から続けるハンドメイドのロッドづくり
Campanellaは岩手県紫波郡紫波町に拠点をかまえるロッドメーカー。主にフライフィッシング用の竿作りを行っており、渓流や湖のみならず昨今のニーズに合わせた海用のフライロッドやルアーロッド、テンカラ用のロッド作りも始めている。
Campanellaのこだわりは創業から変わらず、ロッドを文字通り一からハンドメイドでつくること。製作工程の一部を外注することもなく、正真正銘全てを自社で製作。そのため、個人からのカスタムオーダーにも柔軟に対応可能。その丁寧な仕事ぶりは国内だけではなく海外にも数多くのリピーターを呼んでいる。
ハンドメイドで一本一本を丁寧に製作するため、月に作ることが出来るロッド数はおおよそ60本ほど。注文が立て込む時期には工房をフル稼働させて対応している。
フライフィッシングの魅力
Campanellaが創業からロッドを作り続けているフライフィッシングの魅力とはどういったところにあるのだろうか?
筆者が質問すると石川氏が語ってくれた。
「フライフィッシングは釣り上げた魚の大小を楽しむのとはちょっと違うんです。フライフィッシングは一般的に魚を釣り上げるまでに他の釣り方よりも手間がかかることが多く、一匹でも多く魚を釣りたいと思っている人には向きません。その魚を釣るためにはどうすればよいかを考える時間、釣る魚に合わせたフライを作る時間、魚がいる沢まで移動する時間、そして目当ての魚と知恵比べをする時間、そういった時間を一つ一つ楽しむものだと個人的には思っています」
間口を広げるためのイベントも開催
Campanellaでは巷で敷居が高いと思われているフライフィッシングを身近に感じてもらおうと、技術的なことを教えたり、初心者同士が交流を図れる体験会も開催している。
Campanellaのスタッフの半数が女性ということもあって、体験会の参加者には女性も多い。体験会から交流が始まり、女性同士で渓流釣りに出かける人たちも出てきているという。
イベントの開催告知はCampanellaのフェイスブックページ等で確認することが出来る。不定期開催のため、フライフィッシングに興味がある方は見つけたらまずは問い合わせを。
Campanellaに併設された小売店「Little bell」
Campanellaでは店舗に併設する形で、釣り関連の道具を扱う小売のお店「Little Bell」を運営。様々な釣り好きの人たちが分け隔てなく交流できる場所を目指した店舗づくりがなされている。
店名の由来は、Campanellaのイタリア語での意味「小さな鐘」を英語にしたもの。販売スペースには、量販店では見かけることが少ない釣りに関連する商品がずらりと陳列。Campanellaのロッド見本も置かれているので、実際にCampanellaのロッドを見てみたいという方にもぜひ一度見てほしい。
※ロッドは完全受注生産のため、その場での購入は出来ません。
まとめ
取材の折、石川氏から度々出ていた言葉が釣りの楽しさを多くの人に知ってもらいたい、釣り好きな人達が垣根なく集まれる場所を作りたいというものだった。
その想いに共感したようにCampanellaを担うスタッフ達も海外出身の方や女性の方々が多く在籍する多様な人の集まりになっている。
Campanellaではこれから海外向けのフライロッド市場にチャレンジしたり、国内のルアーロッド市場向けの製品を作ろうと計画中。そのためにロッドづくりを行うスタッフの養成も考えているということで、これからどんな製品が産み出されていくのか楽しみだ。
詳細情報
Campanella
住所:岩手県紫波郡紫波町上平沢川原田23−36(小売店Little Bell併設)
HP:https://campanellafishing.com/
Instagram:https://www.instagram.com/campanellaflyrods/
Face Book:https://www.facebook.com/CampanellaFlyRod/
※記事情報については取材当時のものとなります。現在の情報と異なる場合がありますので、予めご了承願います。