皆さん、東北の広さってどのくらいかわかりますか?実は東北って北海道の約8割ほどの広さがあるんです。これだけ広かったら、アウトドア生活で使って楽しい逸品が今日もどこかで生産されているはず!ということで、東北で生産されているアウトドアに使える逸品を探して紹介する新企画“地産×地消アウトドア” をこれから投稿していきます。第一弾は岩手県奥州市の及源鋳造株式会社をインタビュー!アウトドア・キャンプ向けとしての鉄器造りも行うOIGEN(オイゲン)”の魅力をご紹介します。
ー初めに岩手県奥州市での南部鉄器の歴史と及源鋳造株式会社(以下OIGEN)の歴史を伺ってもよいでしょうか。
奥州市での南部鉄器の始まりは奥州藤原氏の時代にまで遡ります。
それより以前にも鋳物を造る人達がいたようなのですが、明らかに産地として作り始めたのは藤原清衡が近江の国から鋳物職人を呼び寄せたことがきっかけのようです。
OIGENの創業については江戸時代末期、嘉永5年(1852年)です。それから100年以上に渡り、鋳物を造り続けています。
ーOIGENでは自社サイトでアウトドア・キャンプ向けという項目を作って製品をPRされていますが、南部鉄器でアウトドア・キャンプ用の製品を造り始めた経緯は?
2年ほど前、アウトドアをする人達にも当社の製品が受け入れられるのではないかと思うようになったのがきっかけです。
そこでアウトドア向けにも使えることをPRするため、自社ファクトリーショップ内の目立つ場所、入口すぐそばのスペースに焚火台を設置し、アウトドア向けのレイアウトを施して商品を展示し始めました。
ーアウトドア・キャンプブースを作ってからのお客様の反応はどうでしたか?
アウトドアやキャンプ目的で来店される方が目に見えて増えましたね。
手ごたえを感じたのでホームページにもアウトドア・キャンプ向けの情報を出すようになりましたし、きちんと企画を練り上げてアウトドア・キャンプ向けの商品も造るようになりました。
その中で一番反応が良かったのがホットサンドメーカー・ホットサンドクッカーで、多くの方々がSNSや動画で商品の使い方や調理方法を思い思いに発信してくれています。
ー私も動画サイトでOIGENのホットサンドクッカーを使った調理動画を見ましたが、動画を見ていると自分もホットサンドクッカーで料理を作りたくなってしまいました。
ありがとうございます。
実は、あるエピソードがあって。ホットサンドクッカーを愛用していただいている九州の有名な料理人の方から、ホットサンドクッカーを使ったイベントを開いてみたいと嬉しい連絡をいただいたことがあります。
そのイベントは参加者が自由に具材を選びながらホットサンドクッカーで料理を作るという内容のものでした。お客様と一緒に楽しみあいながら、一つの料理を作り上げるという経験は中々出来ないので、ホットサンドクッカーを使ってぜひ行ってみたいと。
その話を聞いた時、ホットサンドクッカーは食べる楽しみだけではなくて、料理を作る時間(空間)の愉しみも与えられる道具なんだなと感じました。
ー今後もアウトドアやキャンプ向けの新製品は造られるのでしょうか?
はい、考えはあります。今はアウトドア・キャンプと一言にいっても様々な分野に細分化していますから、流行しているものを上辺だけ真似るのではなくて、お客様が何を求めているか、ユーザビリティを考えつつ私たちの技術に落とし込んで提案していきたいですね。
ー少し話は逸れますが、OIGENのホームページを拝見していると”愉しむ(たのしむ)”という言葉が度々出てきますが、”愉しむ”にはどのような想いが込められているのでしょうか?
OIGENが“愉しむ”や”愉しさ”というワードを意識して使うようになったのは2015年からです。
創業から100年以上を経ている弊社がお客様に提供してきたものは何なのかを整理し、CI(コーポレートアイデンティティ)を明確化しました。それを端的に表すワードが “愉しむ”という言葉です。
私たちが提供している南部鉄器は、慣れるまでは簡単・便利に扱えるものではありません。
世の中には加工されたフライパンの様に焦げ付きにくく、洗いやすく、買い替えも簡単なものが多くあります。
それらの製品と比較して、わざわざ南部鉄器を使ってもらえるようになるためには、加工された製品では味わえない、鉄製品だからこそ味わえる様々な“愉しさ”を提供し、お客様の生活に潤いを与えることが出来なければならないと考えています。
この“愉しさ”という観点は2015年時から急に考えたものではなく、それ以前、昭和の後半から数十年にも渡ってデザイナーと繋がりプロダクトデザインを重視してきたことから始まっています。
見た目の良さだけではなく、お客様のライフスタイルに寄り添った製品を提案し続ける。その姿勢を続けてきたことがお客様に南部鉄器の“愉しさ”を提案する今のモノづくりへと繋がっています。
南部鉄器は扱ううえで手間暇がかかるかもしれませんが、手間暇をかけた分だけ応えてくれます。アウトドア・キャンプ向けに南部鉄器の購入を検討されている方にも、ぜひ手間暇をかける”愉しさ”と鉄器を育てていく”愉しさ”をたのしんでもらえればとても嬉しいです。
ーありがとうございました。
ここからは、ご自身もキャンプを行い、キャンプやアウトドア目的で来店された方々の対応もされている店員の千葉雄祐さんにお話を伺ってみました。
―千葉さんは南部鉄器を野外でどのように活用されていますか?
野外に鉄瓶を持っていき、鉄瓶でお湯を沸かしてコーヒーを飲んだりします。なんでもない風景の中で飲んでも格別ですね。
―南部鉄器を使ったことが無い人にはどんなものがおススメですか?
アウトドアで使用する鉄製品というとダッチオーブンがメジャーですが、その大きさや重さ、調理が大変そうというイメージからちょっとハードルが高いかもしれません。なので、鉄瓶やミニフライパンなどの小さなものから扱ってみるのがおススメですよ。
ーアウトドア・キャンプでOIGENの製品を使ってみたいと思っている方々に南部鉄器の魅力をぜひ!
南部鉄器は字の通り、鍋からフライパン、鉄瓶まで鉄で造られた製品です。
直火からガス、IHまで対応している製品が多くアウトドア・キャンプだけではなくて日常生活でも使えますし、自分の工夫次第でどんな料理にも使えます。
1度試しに使ってみていただければ、その汎用性の高さを感じていただけると思いますので、ぜひ体験してみてください!
[OIGENファクトリーショップ]
【所在地】〒023-0132 岩手県奥州市水沢羽田町字堀ノ内45
【電話番号】0197-24-2411
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】毎週水曜日 ※ファクトリーショップは社内行事などで休みの場合あり。情報はホームページの「ニュース」または電話で確認。
【WEBサイト】https://oigen.jp/factoryshop
[OIGEN公式オンラインショップ]
【WEBサイト】https://shop.oigen.jp/
【備考】土日祝日の問い合わせ、商品発送は休み。
※記事情報については取材当時のものとなります。現在の情報と異なる場合がありますので、予めご了承願います。