お寺cafe 夢想庵〜レトロな佇まいで忙しさを忘れるひとときを

色彩の豊かさ。派手さがあるわけではない。でも、何故か心に残る。ふと思い立った時に立ち寄りたくなるカフェ、それがお寺cafe 夢想庵だ。

お寺cafe 夢想庵は、柳津虚空蔵尊と呼ばれる日本三大虚空蔵尊(こくぞうそん)の一つであるお寺の敷地に建てられたカフェで、周りを緑に囲まれている。

初めてこのカフェの外観を見た方はどのような印象を持つだろうか?

カフェの前に広がる庭はよく管理され、黒板に書かれた味わいのある文字、庭木に立てかけられた看板に書かれた隠れ家という表現がまさにぴったりだ。

否応にも高まる期待をさらに膨らませてくれたのが、店の入り口に立てかけられた季節商品を紹介する看板だった。

「星の口づけ」という響き、優しく繊細なタッチできらびやかに描かれた飲み物の絵が、茹だるような暑さの中、一際と目立っていた。

ちょうど筆者が訪れた時はランチの時間が終わり、デザートやコーヒーの時間になっていた。

席へと通され、メニューに目を通す。

メニュー表には、七不思議珈琲や大黒キャラメルマキアート、毘沙門カプチーノ、恵比寿アイスラテといった七福神の名前が付けられたドリンクや、デザートの欄にはめで鯛もなか・お抹茶セット、仙台麩パフェ おみくじ付き、壺入りしることいったこれまた気になる名前が並べられていた。

壺入りしるこって何?そのネーミングセンスにものすごく心を惹かれたが、仙台麩を使ったパフェも捨てがたく、結局おみくじ付き仙台麩パフェを頼むことにした。

待っている間、自身が座った席の周りに視線を向けてみる。

まず気になったのは、シンプルな陶器からユーモアのあるカップなどが置かれている、後ろの棚だった。

カップには値段が付けられたシールが貼られていて、販売されているのがわかった。

次に目を引いたのが店内に置かれたおみくじだ。一回50円で引けるもので、みくじ棒に書いてある番号のみくじ札をとる形式のものだった。

ものは試しに引いてみると、結果は大吉!思いがけず良い結果を引いて満足した後は、おとなしくテーブルでパフェを待つことに。

お店に入る前にも緑が映えるカフェだなと思ったが、店内から眺める外の景色はまた異なった印象を持った。

欧州の庭にありそうなクラシックな椅子が置かれたガーデンが目の前にありつつ、その後ろにはお堂が見える。和と洋が絶妙なバランスの上に成り立っている景色は、これまでいろいろな場所を巡ってきたが初めて出会った。

そうこうしているうちに自身の前に運ばれてきた仙台麩パフェ。

陶器のお椀に入れられたパフェは小豆や梨のコンポート、抹茶アイス、白玉、抹茶ゼリーなど和のテイストをふんだんに盛り込まれた一品。クリームには金運のご祈祷をした金箔がふわりと乗っている。

さらにこの和パフェには仙台麩が入っているのが特色で、麩というと料理に使うイメージだったが、このパフェに入った麩は砂糖をまぶしていないラスクのような食感で、パフェに乗ったアイスとよく合う。

和風な建物で和なものをいただける幸せを噛み締めながら完食。ごちそうさまでした。

食べた後は、パフェについていたおみくじを見てみることに。

先ほど引いた50円おみくじでは大吉だったが、こちらは果たして?

と思って引いたクジは末吉。

先ほどは大吉だったけど、今度は末吉。その振り幅の大きさに一人面白くなってクスリと笑ってしまう。

当たるも八卦当たらぬも八卦とはいうが、まさにその状況だ。

こういう時、人は都合の良いもので、結果の悪かったおみくじはなかったことにしてしまう。

食べ終わった後は、お金を支払い、お店を出て、境内をぐるりと散策。

店を出ることには空は曇り空。しとしとと雨が降り始めて、風も少し出てきていた。

そんな風に風鈴が揺れてからんころんと涼やかな音が鳴った。

風鈴の回廊だ。

竹を骨組みにした回廊に赤、ピンク、黄色、水色様々な色合いの風鈴が100個以上は並んでいるだろうか。

不規則に揺れる風鈴が重なるようにして複雑な音のハーモニーを奏でている。

とにかく、ここのお寺は色彩に満ちている。

そんな思いを強く抱いたのが、さらに、境内を歩いていて、御手水のところで花が敷き詰められた艶やかな姿を見たからだった。

曇り空の下でも花々が自身の美しさを競っているような華やかさを見て、思わず写真に収めてしまう。

世界は彩りに満ちている。それは普段当たり前に見ている光景かもしれないけれど、きっとかけがえのない一瞬なのだ。

紅葉の時期にはまた違った顔を見せてくれるんじゃないか。そう期待してまた訪れたいと思う。

お寺cafe 夢想庵
〒986-0401 宮城県登米市津山町柳津大柳津63
WEB:https://kokuzouson.or.jp/cafe
Instagram:https://www.instagram.com/yanaizukokuzouson/

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この記事を書いた人

マーシー マーシー TOLM編集部

”東北のアウトドアの魅力を発信したい!”とノリと勢いだけでTOLM(東北アウトドアライフスタイルマガジン)を立ち上げた張本人。
広大な東北の地でアウトドアな生活を行っている人達に出会いに行くべく、日々車を走らせている。

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