みちのく潮風トレイルを歩くシリーズ。これまで岩手県沿岸南部や宮城県北部のルートをご紹介してきましたが、今回はこれまでと少し違う地域、岩手県北部にある野田村のルートをご紹介したいと思います。
スタート地点は陸中野田駅
岩手県野田村は昔から製塩業が盛んな地域として知られる人口4,000人程の村です。
また、ニホンヤマブドウの生産がとても盛んで、近年では村内に山ぶどうワインを製造するワイナリーが誕生するなど賑わいを見せています。
今回のスタート地点はその野田村の玄関口となる三陸鉄道、陸中野田駅。
ここから十数キロの距離を歩き、ドラマの舞台にもなったことがある三陸鉄道、堀内駅を目指します。
陸中野田駅付近にはトイレ、自動販売機といった設備の他、道の駅、産直、コンビニ、ドラッグストア等もあるので準備を万端にして、いざ出発!
村の中心部を歩いて海岸線へ
まずは陸中野田駅から川沿いを経由し、村の中心部を歩きます。
中心部は商店街になっており、その商店街を見守るように野田村の景色を見渡せる愛宕神社がありました。
海と商店街と鳥居が一緒に映る景色は、天気が良いこともあって、とても晴れやかな気持ちにさせてくれます。
神社を後にしてすぐに、地元のお菓子屋さんを発見!
名前は「お菓子のまるきん」。
こちらでは和菓子や洋菓子を色々と販売されていて、特に純生ロールと呼ばれるロールケーキが人気のようです。
お店の外観も可愛らしく、時間があれば覗いてみても楽しいと思いますよ~。
野田村屈指の眺望ポイント、十府ヶ浦
商店街を抜けるとみちのく潮風トレイルのルートは国道に合流します。
片側には堤防、反対側には公園や広場が続く道を1キロほど歩くと、海を眺められる広場がありました。
広場からは長く続く浜辺が見え、海を見下ろす景色はいつまでも見ていたくなるほど綺麗でした。
この場所は十府ヶ浦と呼ばれ、昔から景勝地として親しまれてきた場所のようです。
広場から堤防の先、浜辺へと降りる道をたどって砂浜を歩いてみます。
冬の時期だったせいもあってか浜辺を歩く人はおらず、堤防を隔てた空間に一人取り残されてしまったような寂しさを感じました。
砂も柔らかくて休憩するにはぴったりだったこともあって、ここで一休み。
寄せては引く波の様子や音を聞きながら持ってきた行動食をゆっくりいただきます。
海だけではない野田村の魅力
十府ヶ浦を過ぎるとトレイルは山に向かって伸びる道路を歩きます。
途中、目立つようにして三陸ジオパークについて説明する案内版が置かれていました。
玉川・土内くんのこほっぱ跡、聞きなれない言葉ですが、この地方の方言のようで、琥珀採掘がされていた跡地を指しているそうです。
更に道を進んでいくと、マリンローズパーク、涼海の丘ワイナリーと書かれた看板がありました。
マリンローズパークは鉱山として使われていた場所を実際に見学することが出来る場所だそうで、涼海の丘ワイナリーは野田村特産の山ぶどうを使ったワインを製造している場所とのこと。
どちらも時間が無くて立ち寄れませんでしたが、時期を変えて訪れてみたいです。
再び海辺を歩く
山道の後は三陸鉄道野田玉川駅、玉川漁港、玉川野営場、玉川海岸といった海辺の場所を通ります。
特に印象に残ったのが玉川海岸。
切り立った崖、浜辺に打ち上げられた流木、荒々しい波と十府ヶ浦とはまた違った魅力の海岸です。
今回のルートでは海辺を歩く場所は玉川海岸で最後。
この後は三陸鉄道堀内駅まで山の中を通る道が続きます。
海辺から山の道へ
玉川海岸からの山道は民家も少なく鬱蒼としていて、夕暮れ近くになると動物たちが出てきそうな雰囲気があります。
なので、通る場合は日中の早めの時間帯の方が安心。
山道を抜けてしまえば堀内駅まではもう少し。
ゴールの堀内駅
ゴールの三陸鉄道、堀内駅は無人駅。
この駅で列車に乗り、スタート地点の陸中野田駅まで戻ります。
昼の時間帯は列車の運行本数が少ないので、時刻表を確認の上で利用がおススメ。
野田村の様々な景色を楽しもう
野田村のルートは海辺の景観を楽しめるだけでなく、観光施設等もトレイル上にあり、様々な楽しみ方が出来ます。
時間に余裕がある方、ただ歩くだけではなく、歩く土地の歴史や風土を体感したい方はぜひそうした施設に立ち寄ってみてください!
※記事情報については取材当時のものとなります。現在の情報と異なる場合がありますので、予めご了承願います。